重要|外壁塗装の見積りが安い業者を選ぶのは正しい?見積りチェックポイント
家の外壁塗装を進めるにあたって、何から始めればいいのかわからず、手探りでなんとか業者を探し、なんとか見積りを依頼したり、相見積りサイトで見積りの内容が数社からきたものの、どう評価していいかわからず・・・という方は意外に少なくありません。屋根・外壁の全体改修となると金額も100~200万円前後と決して安い金額ではありませんから業者選びもやぶさかではないでしょう。
特に知って頂きたいのは昨今では【低価格競争】が相当に起きており、同時に【後悔してしまうお客】も多いというのが現実です。これが意味する事は大きくわけて2つあります。一つはお客側が安い金額を提示する業者を善とし、安くない金額を提示する業者を良しとしない事、そして業者側もまた安い金額でOKが出たからお客にはわからない低品質の施工をしてしまう、この2方向によってこの手の悲劇が起こってしまっているという事です。
少なくとも工事を依頼する側としては、「業者が金額を提示してるんだからその工事はちゃんとしてくれるのが当たり前」という常識をまず捨てる必要があります。契約前の見積りで良い業者(見積り)か、そうでないかを少しでも判断できるようになることが大切です。本記事ではそういった見積りの基本的なチェック項目から業者選びのポイントについて伝えていきます。
業者によって異なる提案・施工内容・価格
複数の外壁塗装業者から見積りを依頼する(相見積り)のは昨今では非常に一般的となりましたが、相見積りを行う場合、提案内容、施工内容、価格、すべて異なる為、何を優先して1社を選ぶのか、この点だけはお客側で決めなくてはなりません。
相見積りを前提とした見積りを提示する業者
業者によっては受注する事を優先しすぎて、あり得ない安い価格で受注に誘導しようとする業者がいるのを知って下さい。相見積りを前提に見積りを作成したかどうかに着目して下さい。受注する為に手抜き工事を想定した安めの見積もりを出す可能性があるからです。ですが、単純に少しだけ安い金額で誠意を見せる場合もありますのでその限りではありません。
施工の品質と価格と工期の関係
どうして施工をする必要があるの?
まず大前提として、メンテナンスを行う目的は「防水性の担保」にあります。太陽からの紫外線や湿気、雨、様々な環境要因で10-15年なんか経ちますと必ず家は劣化していきます。外側から内側へと浸食していくのです。内部の部材が腐食するとさらに施工費が高くなりますから、そうならない為にも外側をしっかりと防ぐ、これが我々の使命でもあるわけです。
相場よりもどんどん安くなっていく価格競争
全体改修の場合、屋根、外壁、雨樋、塗装を駆使して、家全体の防水を徹底していくわけですが、この作業は非常にきめ細かく、技術を要する作業ですが、価格を安く提案する業者を選ぶ傾向がある為、相場費用を知らないお客側の場合、価格を優先してしまい、安すぎる提案をする業者を選んでしまいます。当然、相場よりも安すぎる価格で施工をするわけであるから、塗料を含む、材料メーカーが提示する仕様書に沿って施工が行われませんので施工不良が高い確率で起きる事になります。
相場よりも安い施工費から起きうる主な3点
- ①【職人不足】必要な人数(人工)がかけられない
- ②【低品質】仕様書に沿って施工しない為、期待する効果が得られない
- ③【売上優先】工期を短くして仕上がったように見せる
受注する事を優先して引き受けた業者である場合には上記のように、職人の数を減らしたり、施工において仕様書に沿わないで簡素化した内容で、工期を短くして完了した事にさせられてしまう事が発生しかねません。実際に住宅相談統計年報2024においてもリフォームにおける施工業者とのトラブルにおいても外壁・屋根に係る相談件数が大多数を占めてします。つまり価格だけを優先すると結局のところ、施工不良が発生し、再施工や補償の裁判、また見積りをして高い施工費を払う事になりやすいのです。相場費用を知らないとこういった事が起きるかねないのです。
良い見積り・良くない見積り
- ①面積の測り方が正確か
- ②見積書の内容に根拠があるか
ほぼ断言できますが、良い見積り・良くない見積りの大きな違いは上記の「施工対象となる面積の測り方が正確か」「見積書に表記されている内容に根拠を示す診断結果があるのか」の二点に集約されるでしょう。
施工の対象面積が実際よりも広く・高い見積りになっている場合
見積書はご存知の通り、主に「単価 x ㎡数」で金額が決まりますのでその価格の基軸となる面積の測定は非常に重要です。それをもとにして外壁塗装や屋根塗装だけでなく、その塗装作業の前に係る足場架設や塗装前の高圧洗浄、養生作業にも適用されるので広めで計算された場合、価格が高くなるわけです。必要な材料、作業する量が確定されるわけです。広めの面積で塗布面積を見積もっている場合には当然、それに係る材料も多めに発注する事になります。つまり、必要以上のコストが発生してしまったのです。
面積を狭く見積もって安い価格を提示する業者
相見積りをする場合、特に外壁塗装の相見積りサイトなんかで依頼した場合には起きがちですが、面積を少なく見積もって安く提示し受注しようとするケースがあります。一見、間違って安くしてくれてるならその方が良いんじゃない?と思われがちですが、実はそうではありません。確かに価格を重視する場合にはそれで成立するかもしれませんが、塗布面積が実際の広さよりも小さく見積もられた場合、塗料が足りなくなる為、塗布量を制限したりと塗料メーカーの仕様書から逸脱して施工しようとする業者もいるのです。塗布量が決められた分量で塗布されていないと耐用年数10年・15年となっていてもそれよりも短い時期に再度メンテナンスをする必要が起き、かえって費用が発生してしまう、という事になります。
見積書を正しく見る
主に外壁塗装での見積りの内訳としては共通工事、外壁塗装、屋根塗装、付帯部の塗装(屋根、壁以外の部位)、諸経費の主な5項目です。いい加減な業者によっては諸経費が含まれておらず、施工後に請求してくる可能性がありますのでこういった内容については契約する前に知っておくといいでしょう。
まずは見積り内容の項目を以下にサンプルとして列挙します。各項目には【摘要】 / 【数量】 / 【単価】 / 【金額】が付随して詳細の金額が記載されています。
-
【共通工事】
– 足場架設、解体
– 足場飛散防止メッシュシート養生
– 高圧洗浄(外壁)
– 高圧洗浄(屋根)
– シーリング、その他
– 外壁クラック補修 0.7mm以上
– 外壁クラック補修 0.7mm以下
– 雑工事 *箇所 -
【外壁工事】
– (下塗り)遮熱塗料・サーモアイシーラー【日本ペイント】
– (上塗り1回目)遮熱塗料・サーモアイSi(シリコン)【日本ペイント】
– (上塗り2回目)遮熱塗料・サーモアイSi(シリコン)【日本ペイント】 -
【屋根工事】
– シリコンフレックスJY(屋根)
– シリコンフレックスJY(屋根)
– プライマー系の錆止め
– 屋根下地処理シール、等 -
【付帯工事】
– 破風板鼻隠し(防火作り)
– 軒天井
– 横樋、軒樋(シリコン仕様)
– 大 戸袋
– 中 戸袋
– ガス管
– エアコンカバー
– 軒天井通気口
– エアコンホース、給湯器等
– 換気フード
– 勝手口
– 木製デッキ
– ハイポンファインプライマー
– ファインシリコンフレッシュ
– 水性ケンエース(付帯) -
【諸経費】
– 運搬諸経費、現場諸経費、処分費
– 現場管理諸経費
– 開口部、窓回り、床、養生費
業者から提案・見積書をもらうとだいたいこのような内容が送られてきます。特に初めて依頼する場合には知らない用語やややこしそうな単語がたくさんあり、価格やその時の担当の人柄だけをみて判断してしまいがちですが、見て欲しい項目は【塗料メーカー名と商品名】、【塗料の使用缶数】、【塗装面積(塗布面積)】と【その塗料の用途】です。外壁塗装ですから、メインは塗装。塗料や塗料に係る費用ですね。あなたが受け取った見積書にはそういった詳細がしっかり記載されていますでしょうか?また【一式】という表記には注意が必要です。都合の良い形で「これは工事に含まれていません」と契約後に言われかねません。
施工費と材料費の内訳について
- ①材料の仕入れ価格
- ②職人の人件費(人工)
- ②諸経費
まず単純に何に費用が発生しているのか確認していきましょう。外壁塗装業者に支払う費用では主に材料費、人件費、諸経費のこの3点です。このうち原価に該当するのは、材料の仕入れ価格ですが、人件費や諸経費も原価の合計と見なされる場合もあります。
ですが、上述したように業者によって見積りの内容、表記の仕方は様々です。施工費、材料費がしっかりとわかるような内容であるとよりお客側にとって親切でもありますし、契約前に把握しやすいのでそういった見積りを希望されるのも一つの手です。
施工単価
施工単価の基準は基本的には、施工のしやすい環境かどうかでも変わっていきます。例えば、屋根の勾配といって角度がきつくいて歩きにくい屋根になると単価が上がる時もあります。つまり時間内で収まりやすい部分は安く、作業しにくく時間がかかる箇所については高くなるわけです。一般的な家なら単価は同じでしょう。
見積りに記載している主な項目の解説
①足場の項目
塗装を行なう為に必要な足場架設の費用です。一般的な戸建ての場合、だいたい目安として1現場20万円前後かかるのが相場です。
②足場飛散防止メッシュシートの項目
飛散防止ネットとも呼ばれます。足場についているネットのことを指します。塗料や洗浄時の水の飛散を防ぎます。
③高圧洗浄の項目
ゴミなどの物質がある状態から塗布すると塗料が剝がれやすくなる事から、塗装の施工前には、既存の汚れ等を落とすために高圧洗浄を必ず行います。屋根、外壁、付帯部すべて共通です。
④養生の項目
塗装を行わない部分をビニールで覆い塗料がつかないようにします。
⑤塗料の項目
外壁塗装に使用する上塗り塗料、下塗り塗料のことです。缶数の記載がしっかりあるか確認、ない場合は缶数の記載を要求して下さい。塗料代の相場も確認下さい。(以下にまとめて記載)
⑥塗装施工費の項目
塗装を行なう職人さんの手間賃、人件費を指します。職人の経験年数や実力によって異なる可能性があります。㎡の面積がしっかりあっているかも要チェックです。工事単価の相場も知っておく必要があります。(以下にまとめて記載)
⑦付帯塗装工事
軒天、雨樋等の付帯部の塗装工事。破風板や水切りなども塗装されますが、付帯塗装についてもどの箇所を塗装するのかその記載について把握する必要があります。
⑧諸経費
駐車場代といった運搬諸経費や現場管理費、廃材処理費等のことです。
塗装工事の一般的な価格相場
外壁塗装の見積もりを知るのに専門的な知識は不要です。大まかに必要な作業内容とその作業に係る費用相場を知ることが非常に大切です。一度知る事で業者としっかりとした対話や建設的な打ち合わせができるでしょう。
ただ、見積りに記載されている項目はたくさんありますので、確認するのにも苦労する点が多いですが、相場から明らかに逸脱して高かったり、安かったりする場合には注意が必要です。また不要な工事内容が含まれていて余計なコストが含まれている可能性もありますので以下の単価相場を確認して外壁塗装業者から見積りを受け取った場合には1つ1つチェックしてみて下さい。
足場の単価相場
- 単管ブラケット足場 / 600~800円/㎡
- くさび式足場 / 750~900円/㎡
養生・下地処理の単価相場
- 養生 / 300~500円/㎡
- 飛散防止シート / 100~200円/㎡
- 高圧洗浄 / 100~300円/㎡
- バイオ洗浄 / 200~300円/㎡
- クラック補修 / 1,200~2,500円/㎡
- ケレン(スクレーパー・やすり等) / 600~800円/㎡
- コーキング打ち替え / 900~1,500円/㎡
-
コーキング打ち増し / 600~1,000円/㎡
※当社ではコーキング打ち増しは推奨しておりません。 - シーラー(下塗り) / 600~1,000円/㎡
- フィラー(下塗り) / 650~1,000円/㎡
外壁塗料の単価相場
- アクリル系塗料 / 1,000~1,200円/㎡
- ウレタン系塗料 / 1,800~2,000円/㎡
- シリコン系塗料 / 2,500~3,500円/㎡
- ラジカル系塗料 / 2,500~3,500円/㎡
- ピュアアクリル系塗料 / 3,500~4,500円/㎡
- フッ素系塗料 / 3,500~4,500円/㎡
- セラミック系塗料 / 5,000~5,500円/㎡
- 光触媒塗料 / 5,000~5,500円/㎡
- 断熱系塗料 / 3,600~4,500円/㎡
シーリングの単価相場
- 目地の打ち換え / 900円/m
- 目地の増し打ち / 800円/m
ベランダ防水の単価相場
- 下地処理・クラック補修 / 一式10,000円
- 溶剤拭き / 一式10,000円
- プライマー塗布 / 2,000円/㎡
- トップコート塗布(ウレタン防水) / 2,500円/㎡
屋根塗装の単価相場
- 屋根足場(急勾配屋根の場合) / 600~1,000円/㎡
- 洗浄・清掃 / 200~400円/㎡
- ケレン / 400~600円/㎡
- 錆止め / 600~800円/㎡
-
縁切り / 300~600円/㎡
※当社ではタスペーサーではなく、カッターナイフやスクレーパーによる縁切り作業を行います。
付帯塗装の単価相場
- 軒天(のきてん) / 800~1,200円/㎡
- 破風板(はふいた) / 800~1,200円/㎡
- 霧よけ / 2,000~2,500円/1ケ所
- 雨樋 / 500~1,000円/m
- 水切り / 600~800円/m
- 換気フード / 500~1,000円/1ケ所
- 雨戸 / 2,000~3,000円/枚
- ベランダ鉄部 / 1,000~1,200円/㎡
- 戸袋 / 2,000~2,500円/枚
- 窓枠 / 500~1,000円/㎡
- シャッター塗装 / 1,200~2,500円/㎡
付帯塗装の単価相場
- 下地処理・クラック補修 / 一式10,000円
- 溶剤拭き / 一式10,000円
- プライマー塗布 / 2,000円/㎡
- トップコート塗布(ウレタン防水) / 2,500円/㎡
諸経費
- ごみ処理・雑費 / 10,000~30,000円
- 駐車場、運搬諸経費、現場管理諸経費などもある
人件費の相場
- 外壁塗装の人件費は、1日1人あたり1万5,000~2万円程度が相場です。 地方の給与水準によって多少の差はありますが、おおむねこの範囲におさまるでしょう。 外壁塗装の人件費は『人工(にんく)』で計算します。
見積もりで見る業者選びのポイント
業者選びのポイント①現地調査、診断の丁寧さ
どの業者も見積りをするには現地調査が必須です。現地調査を行い、建物の診断からその家の問題点、メンテナンスで何が必要なのかを判断します。その過程になるべく立ち会うようにして下さい。診断時に目分量で測定したり、屋根を確認せずに診断を終わらせる業者は、実際の外壁塗装においても施工面積を正しく算出できず、施工不良に繋がる可能性があります。
業者選びのポイント②提案内容の伝え方
現地調査後、見積りを出す際に、業者は提案説明を行う時間を設けようとします。そこでの説明でしっかりと診断の結果を提示(劣化箇所の写真、報告書として書面化しているか等)、あなたにとって明瞭な説明をしてくれて、さらに質問をした際にしっかりと回答してくれる業者かどうか判断して下さい。
業者選びのポイント③根拠のある見積り
見積りを確認する際に、その内容が現地調査を基に診断された結果を根拠としているかチェックしてみましょう。つまり、家の劣化症状がAだからこの塗料を選んでいる、等、合理的な提案でなければ意味がありません。劣化症状に関係のない提案をしてくる業者は仕事ぶりもざっくり、施工不良か、場合によっては不要な工事を薦めてくる可能性があります。
良い見積書はその業者の仕事ぶりがわかります。
いかがでしたでしょうか?良い見積りは良い業者との出合いです。仕事のきめ細かさは見積りにも現れやすいのです。外壁塗装における事の本質は「高品質の施工を適正価格で受けられるか」にかかっています。費用が高すぎたり、安すぎたり、仕事ぶりがずさんかどうかは、契約前に判断するようにしましょう。見積書の内容で不備がないか、合理的か、表記は正しいか等をチェックし、信頼できる業者を選ぶようにして下さい。相見積りで価格だけをみて選ぶとかえって施工不良となり、再施工となる可能性が高まります。当社では2社以上からの相見積りを推奨しておりますのでお気軽にお問い合わせください。
【当社の施工例】外壁塗装に係る施工例
当社が行った外壁塗装の施工例やお客様の声をご紹介します。どの家も家の作りが違いますのでその状況もまた異なります。その家に合った適切な必要な施工だけを行います。瓦屋根工事など高所の場合、どの業者も同様に足場工事が必要となる場合があります。その場合は、この機会に合わせて屋根と外壁をセットにして、予算を圧縮した形でご依頼されるお客様もいらっしゃいます。
外壁塗装工事の事例
当社で工事を行われたお客様の声
業者の選定は非常に重要な過程ですので、2社以上へ見積り依頼をすることをおすすめ致します。検討中の方は是非、当ウェブサイトよりご連絡ください。LINEからもスムーズに無料の現地調査・見積り依頼が可能です。
埼玉県狭山市生まれ・狭山市育ち。屋根工事業をメインに建築塗料・塗装業にも携わり20年以上。6000件以上の施工実績。現在は、株式会社CHIKAZAWA代表取締役社長として、現地調査に必ず出向き・自身で家の診断を行い、お客様に高い満足と安心を提供し続けられるよう、塗装工事のサービスだけでなく建物全体の改修工事を重点に品質の向上に取り組んでいる。この記事を監修した人
近澤 泰義株式会社CHIKAZAWA
代表取締役社長
自信があります。お任せください。2社以上からの相見積もりを取る事をお薦め致します。
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