契約と違う塗料を使って業者に施工されるトラブル対策 – 外壁塗装編
実は契約と違った塗料で外壁塗装の施工をされてしまい、何らかの形でお客が気づき、現在はその施工会社と係争中・・・。この手の類でのトラブルは後を絶ちません。
とても残念です。なぜこのような事が起きるのでしょうか?それは単純に塗料が違うだけの話ではなく、業者は全般的に施工するにあたって儲けを見込みすぎたり、無理な予算でOKをしてしまって帳尻が合わず、結果、話し合った事と違う事になったり、足場解体時に家の別の箇所に傷がついてしまった、事故等、色々な事が同時多発的に起こる可能性があるのです。当社ではこれまで手抜き工事についての様々な記事を通して内容を伝えていますが、結局は話し合った事と違うが起きる根幹は低すぎる予算で合意されてしまった事にあるでしょう。圧縮された予算はすべてにおいて圧縮されます。契約に携わった者と現場の職人との間での必要なコミュニケーションも簡素化される傾向もあり、そこから起こり得る二次被害なんて事もありうる訳です。もちろん、「現場判断」という経験や科学的な見地に基づいて必要な変更は十分あり得ますので、すべてがすべて良くない、という話ではありませんが、少なくともお客に断りをいれて相談した上で進めるのがまともな施工会社がする事です。こういった経験をされてしまったお客は少なくとも施工会社は自分の家の事を思って施工していないと思って、業者選びに後悔をしている事でしょう。
ご存知の通り、外壁塗装のメンテナンス、広範囲での雨漏りを防ぐ外壁塗装では安い金額では行えません。しっかりと見極めて業者を選ぶ事も大切ですが、その後、実際の仕事ぶりを細かくすべて把握するのは困難です。また、住宅相談統計年報では外壁・屋根工事の紛争事例が全体の40%を占めています。ですので業者を選んだ後に、もしトラブルが起きた時の為に役立てる施工期間中での対策というものがあります。係争になった時にも有効となるチェックポイントや、施工会社と揉めた際に、有効となりうる材料などがありますのでこの記事をみてぜひ業者選びの参考にしてください。
契約書と違う塗料が勝手に塗られる
外壁塗装において違う塗料で塗られてしまったよくある一般的な事例として以下のケースをここで取り上げてみたいと思います。
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(契約)下塗り:シリコン
(実際)下塗り:アクリル -
(契約)中塗り:シリコン
(実際)中塗り:アクリル -
(契約)上塗り:シリコン
(実際)上塗り:シリコン
塗料メーカーの仕様書にもよりますが、基本的に外壁塗装では、下塗り・中塗り・上塗りの3度の重ね塗りをしっかり行うことが重要ですが、上記の参考のように単純に違う塗料を使う、というケースだけでなく、シリコンは使っているが、中の層にはアクリル塗料が使用され、本来の期待する耐用年数から外れる施工方法を行い、施工後たった数か月で小さなクラック(ひび割れ)がすぐに起きてしまった、というケースも少なくありません。
違う塗料が使われた事を知るには?
依頼する側、つまりお客はついつい、業者がしっかりやっているか、どういう人柄か、時間通りにやっているか、などチェックしやすい部分にのみ注目しがちですが、実は業者がもってきた材料が契約書と一致しているか等にも着目する必要があります。お客本人で違う塗料が使われたかどうかは施工後ではなかなか見極めが難しい為、なるべく業者と一緒になってどんな材料を使っているのかなど施工中に把握するようにしましょう。特に施工が行われていない夜などの合間を縫って、どんな塗料か、確認、ネットでも検索して契約書と同じ塗料なのか自分で確認するようにしましょう。確認した日付ももちろん、その写真もしっかりと保存しておいてください。塗料缶は工事最終日に全て破棄する事があるので注意して下さい。
塗装する範囲の条件が勝手に変わっている
こちらもよくある例の一つですが、壁と地面のつなぎ目どこまでを塗装するかといった細かい部分に関する塗装の決め事にも注目する必要があります。例えば、基礎を掘って塗装する契約だったのに、実は基礎はあまり掘られず、地面から50,60mmの高さから塗装されていた、塗り残しが確認されたといった事もよくあります。確認してみると実は手抜き工事をされていた、という事の事例です。
1日で3回の吹き付け塗装がされていた
上記でも伝えた通り、塗装には三度塗りが基本ですが、その機能を正しく発揮させる為にも乾燥時間の計算は非常に重要です。手抜き工事をすると、その全行程をすべて1日で行う事があり、そうなってしまうと施工後にお客が期待している耐用年数よりも早い段階で再メンテナンスが必要となります。1日で済ます、という事自体が悪いのでなく、塗装は一層ずつ乾燥させなければなりませんので、3回の塗装とそれぞれ1日の乾燥時間を合計すると、最低でも三度塗りには6日間必要なのです。総じて不適切に短い工期は材料の持つ機能が発揮されません。
乾燥時間の例外
三度塗りの工程をすべて別日に行うという場合もあるものの、乾燥時間は目安であり、現場判断も重要な為、高温で乾燥しやすい日の方が、湿気があって曇っている日よりも塗料の乾燥時間は短くて済むなど、天候次第で変わります。例えば、塗料の乾きが早い日であれば、午前中に一度塗り、午後からもう一度塗る場合もありますが、全方位の面積がすべて乾くといった事もまた稀である為、そういった背景を知っていさえすれば、例えば冬場で1日に三度塗りするような業者は手抜きをしている可能性が高い事がわかるわけです。業者を決める際にも乾燥させる日数をどの程度想定しているか、質問をすることをぜひお勧めします。
予算を圧縮しすぎると施工が適切な行われず、わからないように詳細を誤魔化す業者がでてきます。それはつまり、工程を圧縮、手抜きで1日に三度塗りされ、さらに使用した塗料が見積りで予定されたグレード・種類の塗料ではなかった、そしてさらにはその後すぐにクラック(ひび割れ)などが出ても、後で主張するための証拠も取りづらくなります。ただし、気温等の天候状況から本当に乾いた上で施工したのかどうか、証明する事は不可能ではありませんが、こういった事に日常生活の時間が取られてしまうのは厄介です。
毎日の報告書がない|口頭だけの報告
まともな業者であればしっかりと日々の作業報告書を作成し、お客に共有しますが、業者によっては口頭で写真すら撮影されていない中でざっくりと大体の説明をするだけなので注意が必要です。施工過程の記録がないわけですから問題が起きた際にそれを証明できるものを施工中に、必ず用意してもらうようにして下さい。これも予算を圧縮させすぎたり、低予算過ぎたりすると発生しやすい事案です。
契約書と違う塗料だった事を業者が認めた時
お客と施工会社との話合いが重要な瞬間です。この手の業者は様々なアイデアでお客を納得させる方法を知っていますから、必ずすぐに返事をせず専門的なセカンドオピニオンを把握した上で合意に向かうようにして下さい。
業者と話し合う為に証拠を用意
施工中、塗料を含め、契約と違った内容が判明した場合、業者と対話が必要になった時には、憶測や希望、記憶だけで伝えても理解されない可能性がありますので必ず、即時に納得させられるように写真・動画などをしっかりと集めて下さい。ただお任せ、不在にしてしまうと施工後に問題が起きてから主張する材料を取得する機会がなくなってしまいますので出来るだけ立ち会うようにして下さい。作業中がチャンスです。
- ・塗料缶
- ・塗装の問題点
- ・外壁塗装に付帯する作業での問題点
- ・足場周りでの問題点(玄関などエリア外での損傷の発生など)
- ・問題が発生した日時と場所
日照時間、季節、具体的な場所でどのような問題が起きたのか、詳しく客観的に説明できる資料がある事で業者はすぐに対応して問題解決するケースも多々あります。
こんな解決提案がきた
予定していた塗料と違う安いグレードの塗料が使用された場合
例えば、予定していた塗料と違う安いグレードの塗料が使用された場合、上記の場合ですと、業者から「アクリルとシリコンの差額分を減額してはどうか?」といった提案もあったりします。でもどうでしょうか。シリコン塗料の予定だったからアクリル塗料の差額で納得しますか?お客の立場を考えると納得するのは難しいでしょう。少なくとも家の問題点が解決されていないはずです。外壁材と塗料には相性がありますし、上記のケースでは一番外壁材から近い塗装の層がアクリルですから予定している耐用年数にはならない可能性が高いく、またそこに到達するまでの足場、養生、シーラーなど様々に考慮するべき点があります。
契約書類の重要性|外壁塗装工事
勝手に塗料が変更された、勝手に●●にされた、等、すべてはお客への確認を怠った事がまずは根本の原因にあるでしょう。でも考えてみて下さい。「変更された」「予定と違う」という事をしっかりと言う為にも契約関連の書類が適切なのか、という事についても着目する必要があります。それはまた業者選びの指標にもなりえます。もちろんこれが判断できるすべてではありませんが、現地調査、見積書など書類関係などがしっかりしている事でもわかりますよね。それとは逆に適切なプロセスで施工を開始しない業者は施工自体も適切でない可能性を秘めています。
外壁塗装工事の主な契約書類
- ①工事請負契約書
- ②工事請負契約約款
- ③見積書
- ④請負代金内訳書
- ⑤工事内容の仕様書・仕様書の説明
- ⑥工事工程表
- ⑦報告書または中間報告書
- ⑧保証書
上記の8つの書類が概ね付与されるものといっていいでしょう。ただし、業者によってはいくつかの書類が兼ね合って一つにまとまった書類になっている事もあります。工事請負契約書などは施主様(発注者)と工事の請負業者(建築業者・塗装業者)との間で契約を交わされるものですから非常に大切な書類となります。また、工事請負契約書では「両者(お客様・業者)の名前」・「工事の内容」・「工事の期間」・「工事の金額」などが記載されるようになっています。もし施工中や施工後に問題がおきた場合には、工事の仕様書などがあればそれを基に、気になった点があれば業者と話し合って解決しやすい材料になるでしょう。
保証書からわかる事
業者選びにも役立つのは保証書です。例えば、これから発注しようとしている会社自体が創立5年以内など保証書の期間よりも短い場合には業者が倒産するケースも珍しくない為、そういった場合を想定する必要があります。
口約束で進めない
外壁塗装・屋根塗装など100万円近い費用のかかる工事では契約書はお客を守る上でも非常に重要なものとなります。金額だけはっきりさせるのではなく、金額に応じた内容についてもしっかりと明確化し、工事の請負業者と発注者側、双方にしっかりと義務を発生させて工事を成功させることが何よりも大切です。つまりは工事の請負代金の支払い義務、そして外壁塗装工事を完工する義務についてです。お互い安心しながら進める事が先決です。こうすることで契約書の権利(債権)と義務(債務)がしっかりとあるわけですから、もし問題が起こった際にはしっかりと主張できます。
外壁・屋根はトラブルが多い工事
国土交通大臣指定の相談窓口「公益財団法人・住宅リフォーム紛争処理センター」が公開している資料(住宅相談統計年報)を確認すると外壁・屋根関係が上位を占めているのが分かります。戸建住宅の全体約4000件のうち、外壁、屋根に係る「はがれ」「雨漏り」「性能不足」「ひび割れ」が上位52.2%を占めています。性能不足は契約内容との相違等を含み、使用した部材・設備機器等が通常有するべき性能を欠いている、または契約時に定めた性能を満たしていない状態を指します。つまり、問題のあった12.4%のお客は高品質の工事が受けらていないのです。
58.7%が契約解消を希望
上記の円グラフではリフォーム訪問販売のトラブルに関する相談についてとなります。このグラフからもわかるように58.7%のお客はトラブルに際し、契約を解消したい。そして次点の補修を希望する人が25.2%、続いて11.3%が損害賠償。「思っていた工事の内容が違う」「工程の飛ばし」「追加請求」など、お客様にとって想定外の内容が原因とみて取れます。多くは「施工会社との契約を解消したい」という希望があるわけですから、業者選びを間違えた、という認識をお客がしている事になります。年々とこの訪問販売相談の件数もあがっています。
思っていた外壁塗装ではない・違う塗料だった…とならない為に
多くは書面化されていない事でこういった問題が起こる傾向があります。外壁塗装工事では「この点をこうしたい」「この塗料に変更したい」など、事前にお客の希望を伺うのが一般的ですが、希望を聞かないまま進めてしまい、工事完了後に「話が違う…」となってしまうのです。そこで以下の点をチェック項目として今後、外壁塗装において業者選びの際に活用してみてください。気に入った業者でも契約書や見積もりを提示された際、詳細が書面化されていない場合には詳細を追記してもらいましょう。
- ■ 塗料の名称およびメーカーが曖昧
- ■ 塗装範囲が記載されていない
- ■ 塗装の工程が記載されていない
- ■ 単価・価格は適正か
- ■ 工事保証の期間
- ■ クーリングオフの確認
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■ 施工業者について:
外壁塗装の実績があるか
スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
アフターフォローの充実
契約を急かしたり、不安な気持ちを煽る行動をしたか
クーリングオフ制度
訪問販売や電話勧誘で商品・サービスの契約をした場合、購入の申し込みや、契約した日(書面を受け取った日)を含めて8日以内であれば、無条件で申し込みの撤回や契約の解除が可能となる制度です。外壁・屋根塗装の契約であっても、8日以内であれば、クーリングオフ制度の適用が可能です。また、消費者が8日間以内に工事契約を解約した場合、業者は施工現場を契約前の状態に戻す事が義務付けされています。
つまり、契約後すぐに足場を設置して、工事を開始してしまう業者においては、どんな状況においても8日以内であればクーリングオフは実行可能ですし、家を工事前の状態に戻すためにかかる費用全額、業者側が負担しなければなりません。ここで重要な点としてはもし、交わした契約書に業者の都合のいい条件が書かれていたとしても、費用を支払う必要はありませんのでご安心ください。
外壁塗装なら契約に沿って進める当社で相見積りを
いかがでしたでしょうか。施工業者とのトラブルの根幹は総じて「圧縮され過ぎた予算」、そして、そこから生じる工期の微調整や人工(職人)の質への悪影響、つまりは適正な高品質の施工が結果、受けられにくくなっている、という問題に差し掛かります。予算が圧縮されすぎると、コミュニケーションの圧縮(コミュニケーションの不足)、人数の圧縮、技術力の圧縮、工期の圧縮、すべてが圧縮され、結果、思っていた工事と違う・・・施工会社と係争中、なんて事が実際に起こっているのです。安全面の観点からも予算は適正価格で判断される事をお勧め致します。
しかしながら、施工する側からすると、特に屋根や外壁塗装では「思っていた塗料と違う」、なんて事は決してあってはなりません。塗料は建築材との相性、デザインに沿った色合いなどの兼ね合いから適切に選定を行います。当社では契約前にサンプルも郵送し、時間をかけて検討して頂き、最終的な内容を固めてから契約へと向かいます。双方の合意が必要なプロセスでしっかり構築されているからこそ、安心・安全に進められ、その環境下で適切な施工が実施出来るわけです。
また業者選びにおいては、実際に発生する工事費とその品質の関係性についてもチェックする事をお勧めいたします。当社のサイトでもいくつか記事を掲載しております。悪徳業者は確かに存在し、当社含め、どの業者においても慎重になる事は必要不可欠です。お客の思いを誠実に受け取り、10年、20年先の未来を見据えた必要な工事内容、機能性を確かに担保するような施工、誠実な見積書を提示する業者を選ぶことが大切です。そこについてくる費用こそが私達の言う「適正価格」になるわけです。必要な施工、必要ではない施工、この見分け方が一番重要です。
悪徳業者は不要な工事を発注させて費用とまた技術が不十分の場合には再度施工するハメにもなる為、現地調査の立ち合いは必ず時間を割く事をお勧め致します。なぜその業者はその工事が必要と思ったのか。ぜひ質問して下さい。当社は、外壁塗装・屋根塗装工事を始めとし、瓦屋根やスレート屋根などの補修や外壁の張替え、雨漏りの対応なども行っていますのでシーリング工事においても家全体への配慮をしながら遂行致します。狭山市、川越市、東村山市に事業所を構え、埼玉県・東京都の全20都市にて対応可能です。無料にて現地調査を行います。また当社では2社以上へ見積もり依頼をすることをおすすめ致します。『営業から雨樋工事をすすめられた』『火災保険で無料だから今のうちにやっておいたほうがいいといわれた』等、些細な事でも構いません。是非ご相談・ご連絡下さい。診断だけでも大歓迎です。
【当社の施工例】外壁塗装の施工例
当社が行った外壁塗装の例やお客様の声をご紹介します。どの家も家の作りが違いますのでその状況もまた異なります。その家に合った適切な必要な施工だけを行います。屋根塗装工事など高所の場合、どの業者も同様に足場工事が必要となる場合があります。その場合は、この機会に合わせて屋根と外壁をセットにして、予算を圧縮した形でご依頼されるお客様もいらっしゃいます。
外壁塗装の事例
当社で外壁塗装または外壁張り替え工事を行われたお客様の声
業者の選定は非常に重要な過程ですので、2社以上へ見積もり依頼をすることをおすすめ致します。検討中の方は是非、当ウェブサイトよりご連絡ください。LINEからもスムーズに無料の現地調査・見積り依頼が可能です。
埼玉県狭山市生まれ・狭山市育ち。屋根工事業をメインに建築塗料・塗装業にも携わり20年以上。6000件以上の施工実績。現在は、株式会社CHIKAZAWA代表取締役社長として、現地調査に必ず出向き・自身で家の診断を行い、お客様に高い満足と安心を提供し続けられるよう、塗装工事のサービスだけでなく建物全体の改修工事を重点に品質の向上に取り組んでいる。この記事を監修した人
近澤 泰義株式会社CHIKAZAWA
代表取締役社長
自信があります。お任せください。2社以上からの相見積もりを取る事をお薦め致します。
屋根工事・雨樋工事
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