
石綿事前調査義務化|2022年から全改修工事で報告義務化・罰則・補助金
皆さんの中にはすでにご存知の方も多いかと思いますが、かつて、アスベスト(石綿)は私たちの生活の至るところで使用されていました。
しかし、アスベストは人の健康に被害をもたらす危険性があることから、法律で使用が制限されるようになり、現在では全面的に使用等は禁止されています。しかし、アスベストが関与する疾病は長い潜伏期間を経て発症するため、過去にアスベストを扱う業務に従事していた方は、現在でもアスベストが原因の疾病を発症するおそれがある事を背景にこの度、石綿の有無の事前調査結果の報告が施工業者(元請事業者)の義務に2022年4月1日着工の工事から適用される事になった為、その説明をさせて頂きます。これは施工業者だけに関わらず施工発注者にも責任が付帯してしまうのが大きな特徴ですので、屋根・外壁、雨樋、外装修繕を行う場合においても、どの業者に依頼するにも関わらずしっかりとご理解・ご協力の程、よろしくお願い致します。
アスベストはいつから使用禁止
国は、昭和35年(1960年)に「じん肺法」を施行し、アスベストによる健康被害の解決に向けた取り組みを開始、昭和50年(1975年)には一部使用を禁止しました。その後アスベストが全面禁止とされるまでに、約30年近い年数がかかっています。
- 1)昭和50年(1975年)|5重量%を超える石綿の吹き付けを原則禁止
- 2)平成7年(1995年)|1重量%を超える石綿の吹き付けを原則禁止
- 3)平成16年(2004年)|1重量%を超える石綿含有建材等、10品目の製造等禁止
- 4)平成18年(2006年)|0.1重量%を超える石綿含有製品を使用禁止(一部、猶予措置あり)
アスベストによる健康被害は住民にとっての重要な課題
長い年月を要した大きな要因は、アスベストに係る健康被害は潜伏期間が長く、それが問題であると認知されるのに時間がかかったことや、これらの健康被害自体は、アスベストを扱う作業に従事する労働者にのみ関わる問題であると考えられていたため、過小評価されてた事が大きな背景にあると言われています。アスベスト製品を扱っていた工場周辺に住んでいた住民から、アスベストに起因する疾患を発症する人の事例を受け、全面禁止の方向に流れが急速に変化しました。
アスベスト起因による疾病と潜伏期間
- 石綿肺|15~20年
- 肺がん(原発性肺がん)|15~40年
- 悪性中皮腫|20~50年
- びまん性胸膜肥厚|30~40年
- 良性石綿胸水|40年程度
過去にアスベストを取り扱う業務に従事しており、アスベストが原因と考えられる疾病を発症した場合は、労災保険給付または石綿健康被害救済給付金の対象となる可能性があります。また、国に賠償金や給付金を請求できる可能性もあります。
2022年4月からアスベスト事前調査が義務化
石綿事前調査|事前調査結果の報告の対象となる工事・規模基準
以前では建築リサイクル法の届出がありましたが、新築・増築の場合は500㎡、修繕工事の場合は一億円以上が対象であった為に一般の戸建てでは関係がありませんでした。しかし今回、石綿障害予防規則と大気汚染防止法が改正され、それに伴い2022年4月から個人宅の改修工事について、改修対象の建材にアスベスト(石綿)が含まれているかどうか、労働基準監督署と各自治体(市区町村)へ報告することが義務化されることになりました。
報告義務の条件
報告義務の条件は以下の2パターンです。また、令和3年4月以降は施主への説明とアスベスト調査の結果の記録を作成して3年間保存することが義務付けられています。以下の条件では、小さい修理を除き、ほぼすべての施工が対象になるでしょう。
1:建物の床面積が80㎡以上
屋根面積ではなく、建物床面積です。屋根面積は床面積よりも広くなる傾向があるので(屋根は斜めになっていて面積が床面積よりも広いので)、屋根面積が80㎡以上あれば報告義務は免れません。
2:工事金額の合計が税込み100万円以上
リフォーム工事を請け負う業者のリフォーム費用の総額が100万円以上になった場合、報告をおこなう必要があります。つまり、外壁塗装と屋根塗装工事で工事金額が100万円以上になった場合、屋根塗装の費用が100万円以下であっても、報告義務は免れません。
報告方法
報告は、原則として石綿事前調査結果報告システムから電子申請で行います。
基本的に発注者(注文者)が情報提供し、工事請負業者が事前調査の結果を労働基準監督署と各自治体へ報告するというフローになっています。つまり、発注者であるお客様自身も関わらなければならない措置であるということです。
報告書の作成・報告
事前調査を実施した者は、書面調査、目視調査時の現場メモ、みなしや分析調査を行った場合はその結果も含めて、事前調査の記録を作成します。事前調査結果は、都道府県知事等へ報告が義務付けられるほか、デジタル庁が発行するGビズIDを取得したうえで、石綿事前調査結果報告システムを使って報告し、また大気汚染防止法の規定にもとづき、工事の発注者に対しても、書面で報告しなくてはなりません。
事前調査結果を踏まえた工事の実施
今回義務化となったアスベスト調査の結果、もし石綿有りの場合(みなし、含む)、法令に基づく措置が必要となります。
石綿事前調査|事前調査結果を踏まえた工事の実施措置例
2023年10月から建築物石綿含有建材調査者のみ調査可能
2023年10月からはさらに厳格化され、施工の現地調査が行うには建築物石綿含有建材調査者が必要となります。現在、多くの施工業者がこれに対応するべく進めています。
これで何が変わるの?
上記の通り、石綿に対する厳格化が施行される事で健康への配慮はより徹底され良い事になりますが、もう一方では、現地調査の工程が増え、さらに石綿を含む建材が使用されていた場合には、法令に則り対処する必要がある為、そのコストが見積り金額として計上、結果、増えてしまう傾向が予想されます。特に、石綿が含有されていないと証明できない場合には見なし、の対象となり、石綿がある前提で施工業者は業務にあたらなければなりません。
今回の義務化への罰則とその盲点
発注者(依頼者)に発生するかもしれない業者選びの責任
アスベスト事前調査の報告を怠ると、大気汚染防止法に基づき、30万円以下の罰金を科せられます。 また、アスベスト除去などの措置義務に違反すると3月以下の懲役又は30万円以下の罰金となります。
石綿に係る法令は建築基準法や廃棄物の処理及び清掃に関する法律、建設リサイクル法、労働安全衛生法などで施工業者が違反した場合には罰金だけでなく、許可証の更新を受け付けない、あるいは一級建築士の免許をはく奪などの行政罰も付随する為、厳格でしたが、今回の義務化での罰則には罰金最大30万円のみ、行政罰がない為、「何かあったらその時30万円払って済ませよう」という業者もこれから出てくるでしょう。あくまでも可能性ですが、もしそういったいい加減な業者を選んでしまった場合には今回の報告義務の内容も不正確な報告をされてしまい、行政から罰金の対象として発注者自身にその不備が問われる可能性が出てしまうという事です。特に、今回の義務化によって、施工業者は準備の段取りがいくつか増える為、契約のタイミングも早めに行おうとしますが、業者選びは必ず慎重に時間をかけて行い、一旦、業者を選定したあとは、工期よりも質を重視させるよう必要な時間をしっかり取らせるようにしましょう。
発注者(お客側)に知ってもらいたい事
上記でも説明致しましたが、今回の石綿調査義務化に伴い、見積りはどの施工業者も増える事になりますが、それを上手く利用して助成金や経費計上できる対策を取って下さい。
補助金制度
民間建築物に対する石綿(アスベスト)除去、または囲い込み、封じ込めに関して国(国土交通省)は補助制度(住宅・建築物アスベスト改修事業)を創設しており、補助金制度がある地方公共団体において、活用することができます。詳細は以下のリンクをクリック下さい。
アスベスト除去に係る費用の税務上の取扱い
アスベストの除去費用は原則として修繕費となります。ただし、アスベストの除去に伴って、建物の改装等を行った場合にはこの限りではありません。改装等に伴い当該建物の使用期間がのびたり、価値を高めることが明らかな部分にかかる支出は、資本的支出として資産計上する事もありますので詳しくは税理士事務所、もしくは管轄の税務署にお尋ね下さい。
石綿(アスベスト)調査に対応した現地調査はお任せ下さい。
当社代表取締役社長の近澤泰義
石綿を規制する流れに対応する事は今に始まった事ではありません。要は日々変化する環境や改正される法令などにも対応していく柔軟性は当然、施工業者にも求められます。取扱う材料の仕様書、法令に則った施工条件、等様々な状況への適応の上、お客がいま困っている問題にしっかりと耳を傾け向き合い、寄り添う事が当社の一番重要な命題であり使命です。
また業者選びで大切な事はお客の思いを誠実に受け取り、未来を見据えた必要な工事の誠実な見積書を提示する業者を選ぶことが大切です。そこについてくる費用こそが私達の言う「適正価格」になるわけです。必要な施工、必要ではない施工、この見分け方が一番重要です。悪徳業者は不要な工事を発注させて費用とまた技術が不十分の場合には再度施工するハメにもなる為、現地調査の立ち合いは必ず時間を割く事をお勧め致します。なぜその業者はその工事が必要と思ったのか。ぜひ質問して下さい。当社は、外壁塗装・屋根塗装工事を始めとし、瓦屋根やスレート屋根などの補修や外壁の張替え、雨漏りの対応なども行っていますのでシーリング工事においても家全体への配慮をしながら遂行致します。狭山市、川越市、東村山市に事業所を構え、埼玉県・東京都の全20都市にて対応可能です。無料にて現地調査を行います。また当社では2社以上へ見積もり依頼をすることをおすすめ致します。『営業から雨樋工事をすすめられた』『火災保険で無料だから今のうちにやっておいたほうがいいといわれた』等、些細な事でも構いません。是非ご相談・ご連絡下さい。診断だけでも大歓迎です。
【当社の施工例】屋根工事(屋根葺き替え)の施工例と、そしてお客様の声
当社が行った外壁工事の例やお客様の声をご紹介します。当社では不要な工事の提案はしません。どの家も家の作りが違いますのでその状況もまた異なります。その家に合った適切な施工を行います。作業場が高所の場合、どの業者も同様に足場工事が必要となる場合があります。その場合は、この機会に合わせて屋根と外壁をセットにして、予算を圧縮した形でご依頼されるお客様もいらっしゃいます。
外壁塗装工事事例
当社で外壁塗装工事を行われたお客様の声
業者の選定は非常に重要な過程ですので、2社以上へ相見積り依頼をすることをおすすめ致します。検討中の方は是非、当ウェブサイトよりご連絡ください。LINEからもスムーズに無料の現地調査・見積り依頼が可能です。
埼玉県狭山市生まれ・狭山市育ち。屋根工事業をメインに建築塗料・塗装業にも携わり20年以上。6000件以上の施工実績。現在は、株式会社CHIKAZAWA代表取締役社長として、現地調査に必ず出向き・自身で家の診断を行い、お客様に高い満足と安心を提供し続けられるよう、塗装工事のサービスだけでなく建物全体の改修工事を重点に品質の向上に取り組んでいる。この記事を監修した人
近澤 泰義株式会社CHIKAZAWA
代表取締役社長
自信があります。お任せください。2社以上からの相見積もりを取る事をお薦め致します。
屋根工事・雨樋工事
防水工事・外構工事・足場工事・シーリング工事・白蟻駆除
株式会社CHIKAZAWA
建設業許可(般-27)第69007号
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