屋根塗装は意味がない?塗装不要のスレート屋根の事情
皆さんの住んでいる家のうち、新築での多くはハウスメーカーから購入したケースがほとんどだと思います。ハウスメーカーが販売する家の標準仕様というのはその時期、その時期によって採用されている材料が異なりますが、場合によっては将来的に問題になる材料が使われているケースというのがあります。屋根材の話で言いますと皆さんご存知の通り、「アスベスト」を使用した屋根材になります。特に問題はその後、屋根材のメーカーはアスベストを使わない屋根材を販売し始める訳ですが、その中でも1996年~2009年に販売されたレサス、シルバス、ザルフグラッサ、パミール、コロニアルネオという屋根材は割れたり、剥がれたりします。特にパミールの屋根材は層間剥離、表面の滑落が起きるモノにも関わらず、長期にわたって販売されたため、2008年に販売が終了したものの、その後、10年以上経っている現在、こういった問題のある屋根材を使用してしまった世帯ではメンテナンスの時期が来ている状態となっています。そういった屋根材を使用している方に向けた今後の対策、塗装を行いメンテナンスをするべきか、あるいは、どういった対策があるのかについて説明します。結論から申し上げますと、屋根自体が脆い商品の場合には、塗装をしても大元から割れる為、メンテナンスは塗装以外が推奨されるという事です。
スレート瓦とは?
セメントと繊維材料を高温高圧化で成型し、その上から塗装を施した屋根材の事を言います。
屋根材の種類を選ばずにいった場合、現在、多くのハウスメーカーがこのタイプのスレート瓦(屋根材)を標準にしています。採用されている商品名では「コロニアルグラッサ」というものが多いようです。
そもそものスレート瓦の脆弱性
実はこの屋根材は85~90%がセメントで、手ごろな価格で施工が可能な事から取り扱い可能な施工業者も多いのですが、セメントですので「水を吸います」。特に防水材を塗らないと非常に吸ってしまいます。「水を吸う」ということは屋根自体の中に入った水分が氷になり、それが原因で割れる現象が出てくるわけです。そうやってスレート瓦が凍結と乾燥を繰り返す事により滑り落ち、メンテナンスをしていないとさらに反りが出てくるようになります。北海道のような北国では使用しない材料です。
危険なスレート瓦|塗装不要の5つの屋根材
まず問題が多く報告された屋根材について見ていきましょう。
- レサス – 旧松下電工(パナソニック)
・1999~2007年販売
・割れ、滑落が多く発生する - シルバス – 旧松下電工(パナソニック)
・2001~2003年販売
・レサスの上級品、割れ、滑落が多く発生する - ザルフグラッサ – 旧クボタ(ケイミュー)
・2001~2005年販売
・割れ、滑落が多く発生する - パミール – ニチハ
・1996~2008年販売
・層間剥離する、表面の滑落 - コロニアルNEO – 旧クボタ(ケイミュー)
・2003~2008年販売
・ひび割れが多い(特に南側)
北国を除く地域で、1996年~2009年に建てた家の場合、上記のタイプの屋根材である可能性がありますので、もし使用している場合はメンテナンス時に塗装をする事自体を再検討する事をお勧めします。職人や営業マンでも知らない人が少なくない内容です。ただし、実際に塗装を不要と判断するには具体的な材料や経過年数の情報、現場の様子、家の環境や下地の状況など総合的な診断が必要であることを付け加えさせて下さい。
塗装の意味がない・不要な理由①塗装による効果が得られない
大きくわけて2つの理由があります。一つは「脆い材料の上から塗装をしてもベースから崩れる為、結局、塗装による効果がない」という事になります。防水性が担保されません。どんなに良い仕上がりでも、ベース自体を補強する事にはなりません。塗っても割れや剥がれは止まりません。意味がないという事になります。
塗装の意味がない・不要な理由②工事保証が得られにくい
ご存知かもしれませんが、工事保証というのは基本的には、施工で使用した材料や作業についての保証となります。さらに、パミールなど上記の屋根材で塗装した場合、屋根材メーカーも保証期間外になる為、対応はしてくれませんし、塗装でその箇所が層間剥離や割れ、滑落が起きた件については対象外とされてしまうでしょう。理由は塗装した塗膜の剥がれ(剥離)に対して保証されるからです。つまり、もともとの素地から剥がれてしまう事態というのは、塗装が原因ではない、というお話になってくるわけです。だからそもそも塗ってはいけないものになります。これを理解しないまま、施工対応をする業者、もしくは頼んでしまうお客が少なくありません。上の塗装が剥がれたらそれは保証の対象になるはずです。それは密着不良による施工側の問題だからです。必ず契約前に確認するべき項目です。
本来の塗装の目的とは?
塗装でも何でもそうですが、施工内容には必ず目的があります。特に家のメンテナンスの場合には「そのモノ自体を維持する」のが目的です。その為に防水効果を各所に必要とされる形で処置をするわけです。しかし、上記のような屋根材の場合には塗っても意味がありません。大切なのはそれをわかった上でやるかどうかが、重要です。屋根を塗料で保護しても、屋根の板自体が割れるので意味がないという事になります。
現地調査の必要性|不要かどうかの判断
当社でもお問合せ頂く際によくあるのが「写真を送るから見積り書を出してほしい」「とりあえずいくらかかるか教えて欲しい」というご要望を頂戴しますが、現地調査の本来の一番の目的は「お客の家の現状をしっかりと把握し、必要な工事を見極める」作業にあります。家というものは様々な材料が使用されていますので塗る面積にしても、塗れない素材があったり、スレート瓦以外にもたくさんのモノがありますので慎重な作業です。なぜならここを見誤るとメンテナンスのポイント(現状維持)が解決されず、費用が無駄になってしまうからです。塗ればOKという単純な構図ではないのです。さらに相場よりも安い金額の工事をした場合、その質も当然それなりの仕方になります。見えない部分ですが、メーカーの仕様・ルール通りにやるとかなり手間のかかる作業ですが、それを守っていない業者は少なくありませんし、だから安くできたりもするわけです。そしてその結果、雨漏りもするという表裏一体の事情があるわけです。
もし、あなたの家の屋根で塗装の意味がない・不要な場合の対処法とは?
このような根本の屋根材自体に問題があったり、経年劣化が進行しすぎてしまった為に塗装しても効果が見込めない場合には重ね葺き(カバー工法)を行います。
塗装が不要な場合の対処法|重ね葺き(カバー工法)
古い屋根材を剥がして野地板を貼り直すとさらに費用が掛かる為、費用対効果を中心にした対処法がこの重ね葺き(カバー工法)となります。重ねても耐震性にも問題ない、重さも陶器の瓦よりも全然軽い為、これを上から貼っても問題ない観点で新しい屋根材を被せます。
- スレート瓦+防水シート+新しい屋根材
塗装の意味がない・不要な場合に重ね葺きしておきたい屋根材|ガルバリウム鋼板
ガルバリウムというとトタン屋根を思い浮かべる人もいますが、同じ金属屋根でもガルバリウム鋼板の屋根は非常におしゃれです。しかも触らない限り、金属らしさもわからないくらい精巧につくられています。ちなみに現在、ハウスメーカーでよく使われているのはウッドピースという商品名のガルバリウム鋼板の屋根です。またガルバリウム鋼板は「犠牲防食機能」と「アルミの長期耐久性」を併せ持っています。その為、同じ金属屋根のトタン屋根に比べて、数倍の耐久性を誇るのが特徴ですが、断熱性、防音性が良くない為、それを補強したものを使用する事もあります。
ちなみに、犠牲防食機能とはメッキに万が一傷が発生し、下地の鉄が露出しても傷の周辺の亜鉛が鉄より先に溶け出して電気化学的に保護する機能のことをいいます。鉄を腐食させないために傷ができても、勝手に直る塗装が施されている事です。
なぜ最初から貼らないのか?
新築時に購入する際に最初からこういった屋根材を選択する事もできますが、ハウスメーカーは基本的に定価とほぼ変わらない金額で販売する為、コストがかかりすぎます。単価設定、坪単価などを気にする方がも多い為、ガルバリウム鋼板とかを使うととんでもない金額になったりするわけですが、上記の問題のある屋根材を使っている可能性がある方は、今一度見直して頂いて、写真とかをお送りご相談だけでも歓迎です。
塗装不要の屋根材から安心できる材料へ
屋根工事の場合には単に面積だけで見積りは提案されていない事が多く、さらに業者によって金額も定価売りだったり、逆に融通を利かせてくれる、など様々ありますので、まずは他業者からの提案金額を当社でも確認と言う事で相見積りで気軽に連絡を下さって構いません。
屋根材ROOGA(ルーガ)のお勧め|塗装の意味がない・不要な場合
上記の問題の場合には、塗装でメンテナンスの効果が発揮されない為、不要なので屋根材自体を見直す必要があります。屋根を考えるにあたり、以下の項目について検討してみてもいいでしょう。
- 初期コスト
- メンテナンスコスト
- 断熱性
- 耐震性
- 耐風性
- 防音性
ハウスメーカーで瓦を選ぶと大体は今は「ルーガ」という屋根になる傾向があります。ルーガは陶器瓦ではなくて、正式名称は「樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦」と呼ばれているものでスレートに近いものです。通常の瓦に比べ、半分の重さしかなく、耐震性も高く、それでいて断熱性能も従来の陶器瓦と比べて高いです。
通常の瓦は構造上、瓦の裏に水が入りやすい為、ルーフィングという防水下地がしっかりしていない場合、すぐに雨漏りの原因になっていました。しかしこのルーガでは、瓦の裏に水が入りにくい構造になっており、下地に与える影響が少ないのが特徴です。デメリットとしてはコスト自体が高い、建物の勾配が決まってしまう等がありますが、経年劣化という継続的に対処していかなければならない問題に対しては、安心して過ごせる強力な味方になるでしょう。どの屋根材もメリット・デメリットがありますが、総合的にみると「瓦」、特に「ルーガ」は一番デメリットが少ない材料の一つと当社では判断しています。
1996年~2009年に家を購入した方のメンテナンスでは屋根材のチェックを
安さ・割引・不安というものにどの時代も人は左右されてしまいますが、この期間に販売された屋根材を使っている場合には、塗装でのメンテナンスをするかどうかについて慎重な判断が必要です。先ほども申し上げましたが、費用が無駄に終わってしまう可能性があるからです。
また業者選びで大切な事はお客の思いを誠実に受け取り、未来を見据えた必要な工事の誠実な見積書を提示する業者を選ぶことが大切です。そこについてくる費用こそが私達の言う「適正価格」になるわけです。必要な施工、必要ではない施工、この見分け方が一番重要です。悪徳業者は不要な工事を発注させて費用とまた技術が不十分の場合には再度施工するハメにもなる為、現地調査の立ち合いは必ず時間を割く事をお勧め致します。なぜその業者はその工事が必要と思ったのか。ぜひ質問して下さい。当社は、外壁塗装・屋根塗装工事を始めとし、瓦屋根やスレート屋根などの補修や外壁の張替え、雨漏りの対応なども行っていますのでシーリング工事においても家全体への配慮をしながら遂行致します。狭山市、川越市、東村山市に事業所を構え、埼玉県・東京都の全20都市にて対応可能です。無料にて現地調査を行います。また当社では2社以上へ見積もり依頼をすることをおすすめ致します。『営業から雨樋工事をすすめられた』『火災保険で無料だから今のうちにやっておいたほうがいいといわれた』等、些細な事でも構いません。是非ご相談・ご連絡下さい。診断だけでも大歓迎です。
【当社の施工例】屋根工事(屋根葺き替え)の施工例と、そしてお客様の声
当社が行った屋根工事の例やお客様の声をご紹介します。当社では不要な工事の提案はしません。どの家も家の作りが違いますのでその状況もまた異なります。その家に合った適切な施工を行います。作業場が高所の場合、どの業者も同様に足場工事が必要となる場合があります。その場合は、この機会に合わせて屋根と外壁をセットにして、予算を圧縮した形でご依頼されるお客様もいらっしゃいます。
屋根工事の事例
当社で屋根工事を実際に依頼されたお客様の声
業者の選定は非常に重要な過程ですので、2社以上へ相見積り依頼をすることをおすすめ致します。検討中の方は是非、当ウェブサイトよりご連絡ください。LINEからもスムーズに無料の現地調査・見積り依頼が可能です。
自信があります。お任せください。2社以上からの相見積もりを取る事をお薦め致します。
屋根工事・雨樋工事
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