外壁塗装で手抜き工事？手抜きの箇所と業者の見積書

様々な施工会社の記事でも悪徳業者やこの手の手抜き工事について注意喚起されていますが、まず業者の中で、最初から悪い事をしようとする為にあなたの家に近づき施工をする人はいない、という事です。ですが、家の問題点やお客の要望をクリア、解決する事と同時に、予算、会社の売上についても積極的に努力をするがために起こるのが全般的にこの「手抜き工事」である、という事を知っておいてください。施工内容に対して足りない予算、不十分な工期によって業者は手抜き業者へと変身します。

今回は外壁塗装で起こる手抜きのパターンや起きてしまがちの条件について紹介致します。この記事が納得する業者選びに役立つことを信じています。

外壁塗装の品質 – すべては見積書から

すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、施工業者によってその見積りの書き方も様々です。この見積書の詳細がすべてといっていいでしょう。

• 見積書の記載が「一式」になっている
• 仕入れる材料の詳細がない
• 安い仕様の足場を使う
• 塗装の塗り方の表記が曖昧
• 付帯塗装についての詳細が曖昧

業者側にとって一番の成立させようとする論理はすべて「実際の施工内容と見積書が一致しているかどうか」を重要に進めていきます。一見、誠実そうな印象ですが、見積書の内容が曖昧な場合どうでしょうか。見積書を見た時に、言い逃れが出来る内容になっていませんか？どちらにしてもお客にとって一番重要な事はこの施工が10年前後もしっかりと効果を発揮し、経年劣化を防止し続けてくれるか、という点です。その為には、採用する「材料」、そしてその仕様をしっかりと順守した上で「施工」が行われているか、というのが大きなポイントになります。

金額が安い塗装業者を選ぶことの危険性

契約してから施工が始まり、担当する職人や業者側は自分たちが何をやっているか、何をあえてやらないかを熟知しながら工事を進めています。昨今ではお客側も相見積りをしっかり取る傾向があり、これ自体は非常に良い業者を選ぶ上で大切な事なのですが、その目的を明確に注意する必要があります。もしその業者選びの判断基準が単に施工が同じ内容で金額が他社より安いから、という表面的な数字で決めてしまう場合です。「詳しい事はわからないけど、とにかく一生懸命に塗装をやってくれる業者だろう、早く工事をしてほしい」で見積書の内容についてスルーしてしまう事は手抜き工事が発生してしまいやすいのです。お客と業者両者の「ちゃんとする」という定義の合意が見積書なのです。

手抜き工事＝お金をかけない努力

上記の通り、業者は見積書に準じて工事を遂行します。一方でそれは必ずしも仕様書に準じて工事をする訳ではありません。例えば「シリコン塗装」だけ書いてる場合、具体的な材料の表記もない場合、どんなシリコン塗装でも成立するのです。グレードもきめ細かくありますが、倉庫に眠ってある余っている材料を使用するかもしれませんし、残っているシリコン塗装を何種類かを混ぜて塗布するかもしれません。お金をかけない術を駆使して仕上がりも良いようにできるのです。そして数年後には塗装が剥げてきたり…というような最悪な結果も起こり得るわけです。

外壁塗装の一回塗り｜手抜き工事で起きる事

手抜き工事が遂行されてしまうと、塗装の一回塗りは全然起こり得ます。一回のみです。もちろんこれは塗料の仕様書からかなり逸脱しています。しかし、見積書に3回塗りやそのあたりについて明記されていない場合、業者としては見積書通りなので成立する事になるのです。もちろん、必ずしも3回ではなく塗料の種類によっては、【中塗り・上塗り】あるいは、【上塗り2回】など合計で2回や4回といったプランもありますので個別に見る必要がありますが、塗り方の詳細がない場合には1回で塗ってオシマイ、という事があるのです。下塗りだけでは壁材に染み込んでいき、本来の塗装の効果は発揮されません。

3回塗りが必ずしも正解ではない｜手抜き工事のポイント①

塗料メーカーにはそれぞれ異なる仕様で施工するにあたって塗料の使い方が決まっています。まともな業者であれば1㎡ごとに刷毛を塗料に付けて、壁を塗り、つけて、塗ってと厚みをしっかりつけながら丁寧に進めますが、手抜き工事となると出来るだけ伸ばして塗ります。伸ばして塗り、下塗り、中塗り、上塗りの工程をできるだけ塗料を少なくして完成させる動きをするのです。1㎡に塗料を何キロ載せなければならないかっというメーカーの指示がある以上、その通りになるべく塗る方向で進めないと本来塗料が持つ耐用年数に到達しないことになります。希釈量（薄めた後の溶液量）についても同様です。また、業者側が注意しなければならないのは、外壁の状況によっては凹凸があったり、壁の吸い込みがあるので、それによって1㎡で使う塗料の重さにも都度調整が必要になってくるのです。伸ばすだけ伸ばして一回塗り、なんてことも実際起こっています。

外壁塗装の材料費を知りましょう｜手抜き工事のポイント②

特にボッタくりの業者も中にはいますから、材料費についても着目しましょう。施工業者も結局は、材料メーカーから1缶●円という形で購入するわけですが、業者によっては費用を上乗せして請求するケースもあります。見積書に材料の詳細がない場合、実際に何の塗料や材料をどのくらい買っているか完全に見えないのです。当然、お客は塗料の値段を知らないまま買う事になるわけですから、そこにも手抜き（＝利益率を上げる）が発生する可能性があります。

付帯塗装｜手抜き工事のポイント③

付帯部は外壁塗装の際に、外壁以外のことを付帯部と呼びます。雨どいや破風・鼻隠し・軒天・雨戸・面格子等です。付帯部の塗装は、外壁塗装の作業間に行われますが、見積書に付帯部にウレタン塗料と書いている場合、ウレタン塗装で一回塗りにされてしまう事も十分に考えられます。屋根や外壁にシリコンを使って、付帯部にウレタン塗装でさらに一回塗りなんかになってしまうと、塗料の種類もグレードが異なる事から付帯部から劣化しやすくなるのです。ウレタン塗装よりも耐久性が高く、価格帯も手ごろなシリコン塗装が登場したことにより、ウレタン塗装が選ばれることは少なくなり近年では外壁塗装にはあまり選ばれていません。何度も申し上げますが、手抜き工事というのは手を抜くのでなく、見積書と照らし合わせて成立しているのであれば、業者としては「私たちは手抜き工事をしていない」という論理になるのです。その目的は利益率を上げる為です。